いわゆる与党の公正発展党(AKP)がイスラム教徒の女性が着用するスカーフを
公の場で着けることを認めたことを受け、
検察当局がこれは憲法違反であるとして党の解党に乗り出した。
要はトルコでは宗教の自由を過度に押し付けており、
スカーフの着用が憲法によって認められていないということらしい。
この辺難しい考え方なのかもしれませんが、アファーマティブアクションみたいな発想で、
普通ならスカーフを着ける着けないの選択は個々人に任せるのが一般的な宗教の自由なんですが、
トルコの場合はそもそも一律につけることを禁止して宗教的な色彩をなくすということのようです。
言ってみれば、卒業式で君が代を歌うか歌わないかという問題があるので、
そもそも卒業式に君が代斉唱の項目を入れない、という感じでしょうかね
で、憲法ではそうだったのに、AKPがそれに反する決定をしたと。
そして検察が違憲だって言っていると。
これは司法当局のクーデターだと言われているんですね。
まあクルド人の問題で揺れているトルコですし、
軍部もある程度の力を持っている国ですからクーデターって言うのは歴史的に見ても珍しいことではないんですが、
親米であり親EUの国家で、EU入りも言われている国ですから影響力はかなり大きいんじゃないかと。
アメリカなんかはこの問題必ず口出ししてくるんでしょうけど、口出す手立てはあまりないらしいんですね。
って言うのもトルコの司法当局やマスコミなんかは世俗派が多いんで、
今の政府とは相容れない。
ただ政治的、経済的なことを考えるとアメリカとの関係の悪化はトルコにとってはおいしくないんですね。
それだけ西側に傾いてる国なんで。
これは理想的な解決策としてはAKPが憲法改正も含め国民と議論を進めていき、
そのなかで段階的に解決へと向かう。
スカーフの問題にしても認めてしまうほうがよいのかは世論しだいだと。
支持率の高いAKPなんで無理する必要はないんじゃないかなと。
総選挙っていう方法もありですしね。
面白い国ですね。