欧州で6日、フランス大統領選第2回投票(決選投票)とギリシャ総選挙の投票があり、即日開票された。フランスでは社会党のフランソワ・オランド前第1書記(57)が、現職のサルコジ大統領(57)を破り、ミッテラン元大統領以来17年ぶりに左派系大統領が誕生することになった。ギリシャでは暫定政権を担っている二大政党の退潮が確実な情勢。債務危機の打開を目指す緊縮財政策への受け止めを問うた両選挙は、有権者の強い反発を浮き彫りにする結果となった。
上の記事にあるミッテラン元大統領は
1981年から1995年にかけて
フランスの大統領を務めました。
左派政策を推し進める中で死刑の廃止や生活保護費や年金の充実、
週39時間労働制の実施などを行って近年再評価されています。
さて、今回大統領になったオランド氏ですが、
オランド氏はは財政規律だけを重視する傾向に疑問を呈し、
欧州連合(EU)の財政規律を強化する新条約見直しや
欧州中央銀行(ECB)の役割変更を提唱、成長や雇用を重んじるよう訴えました。
「財政緊縮だけが選択肢ではない。欧州の成長・雇用を促進する」と述べています。
さて、いままで絶妙な(?)バランスを保っていた独仏の関係ですが、
保守派のメルケル氏とオランド氏がどういった関係性を築いていくのか、
注目されるところであります。
両者の志向するところからすると政策の差はなかなか大きいのではないかと見られています。
欧州全体の協力が必要なこの状態で、
どのような化学反応が見れるのか楽しみです。
さて、注目するところはオランド氏だけではありません。
実はフランス大統領選は4月22日に「第一回」の投票が行われています。
この時、オランド氏は28.63%の得票率を獲得し
サルコジ氏の27.18%を上回りました。
これはほぼ事前の予想通りだったんですが、
意外だったのは第3位で、
世論調査では第3位は共産党やトロツキストの支持層を結集した
「左翼戦線」のジャン=リュック・メランション氏が占めてきました。
ところが結果は
4位だった右翼「国民戦線」のマリーヌ・ルペン氏が17.9%を得て、
11.11%のメランション氏を逆転。
右翼として史上最高の640万票あまりを手に入れました。
選挙後ルペン氏は「これは始まりに過ぎない。戦いを続けよう」と挨拶したとのことです。
これが何を意味するかというと、
ルペン氏は大統領の座を本気で狙ったわけではなく、
国民戦線の照準はむしろ、大統領選直後の6月の総選挙。
小選挙区制のため今まで議席を保有していなかったが
悲願の議席保有が見えてきたということです。
この結果が示すものはな何なのでしょうか。
これは不満のはけ口としての票が下位候補に集まったということ。
つまり対立軸は「サルコジかオランドか」ではなく
「現実性のある大統領候補オランド+サルコジ」か、
「不満のはけ口としての投票先メランション+ルペン」
ということ。
右か左かという部分ではある程度支持層が固まっていたため
サルコジとオランドの対立軸は大きくなかったのが実際のところ。
実効性のない政策を掲げる下位二名の候補者に投票し、
現政権への不満を表したということでしょう。
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