こんにちは。
行政書士・ファイナンシャルプランナーの志塚です。
先日、日本証券アナリスト協会が主催した国際セミナーで
金融庁長官である森信親氏の講演が行われました。
森長官はかねてより
金融機関による金融商品の販売姿勢を厳しく糾弾してきました。
毎月分配型ファンド、外貨建て保険、ファンドラップの
特にコストの部分について
顧客本位、フィデューシャリーデューティー(←変換で出てこない)の観点からの
営業が行われていないことを問題視しています。
そして、今回の談話では、
来年から始まる積立NISAを念頭に置いて
投資信託を取り巻く業界の問題点について指摘されています。
講演の内容はこちら
内容をまとめますと
•投資のポイントは長期・積立(2018年に積立NISAが開始)
•インデックスファンドを中心としたコストの低いファンドを選ぶべき
•日本の家計金融資産全体の運用による増加分が19%(米国は+132%)なのは高コスト、乗換が原因だ
•毎月分配は複利効果が得られないのでダメ!
•投信を買うと高値掴みになりがち
•コストは金額で明示すべし
•複雑な商品を投資家に理解させずに販売している
•ノーロード、2/3以上の期間で流入超、信託報酬一定水準以下のものが5本のみ
というところです。
上記のうち赤く記載した部分が
私が同意できない部分、
もしくは考え方がそもそも違うんだと思う部分です。
それ以外については
仰る通り!
というところ。
ではどこが同意できないのか。
この記事では
低コストのインデックスファンドを選ぶべきという部分だけ
お伝えします。
投資信託のコストとは
購入時手数料と信託報酬のことです。
購入時手数料は買付時にだけかかる一回きりの手数料。
信託報酬は運用手数料のようなもので
持っている間はずっと発生し続けます。
特に長期間運用する場合信託報酬の差が
大きく響いてきます。
そのため、
低コストのインデックスファンドが有利なのは間違いありません。
また、過去10年間のパフォーマンスを見ると
アクティブファンドがインデックスファンドに勝つ勝率は45%です。
半分以上のファンドがアクティブファンドに負けています。
インデックス以上の成績を目指すアクティブファンドが
結局インデックスに勝てないのは信託報酬が高いから
という点が大きいということです。
ここまではなるほどと。
そして、こうなってくるとコスト競争が始まるわけです。
現にもう始まってます。
米国ではこのコスト競争が激化し、
生き残れなくなった運用会社も出てきています。
また、インデックスであるがゆえに、
東芝など、アクティブファンドであれば当然外すべき銘柄も
組み入れなければなりません。
現在、世界最大の運用会社ブラックロックが
東芝の株の5%を保有しています。(4/16日経新聞)
また、インデックス運用が市場を席巻すると
材料ベースでの売買が行われなくなり
市場との対話が機能せず、
市場が効率化しなくなってしまうという弊害が出てきます。(前日経新聞記事)
このように実はインデックスファンドの問題点も多いのです。
最近ではひふみプラスを中心とした
独立系のアクティブファンドも人気が出てきています。
買うかどうかは別にして、
アクティブファンドがどういう運用をしているのか
参考にするのも面白いと思っています。
また、55%はアクティブファンドは負けていますが、
45%は買ってるわけです。
ポートフォリオをちゃんと見れば
インデックスとの差別化ができているか
インデックスに勝てるかを
判断できると思います。
とこんなところです。
何でもインデックスって言えば投資家のためだ、というのも
間違ってるんじゃないか?と。
個人的に、インデックスファンドを進める専門家、評論家、FPは
相場観も考えられない
素人に毛が生えたくらいの分析だと思っています。
個人投資家の中でコスト意識が高まってきたことは
非常にいいことですが、
皆さんはもう一歩先の考え方を身に着けませんか?
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“金融庁長官が言ったことなら全部正しいのか?① ~顧客本位の業務運営に関する原則~” への1件の返信
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